洪水や土砂災害に備えるハザードマップ活用術?物件選びのチェックポイントを解説の画像

洪水や土砂災害に備えるハザードマップ活用術?物件選びのチェックポイントを解説

お役立ち情報

阿曽 大和

筆者 阿曽 大和

不動産キャリア4年

住まい探しをするうえで、洪水や土砂災害のリスクを事前に知っておきたい、と感じる方は少なくありません。
しかし、ハザードマップの見方が難しく、どこをチェックすれば良いのか分からないという声も多く聞かれます。
そこで本記事では、洪水や土砂災害に関するハザードマップの基礎から、物件選びで押さえておきたい具体的なチェックポイントまで、順を追って分かりやすく解説します。
これから物件を探す方が、自分や家族の安全性を意識しながらエリアや候補を検討できるよう、実際の確認手順も丁寧に整理しました。
安心して長く暮らせる住まい探しのために、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

洪水・土砂災害ハザードマップの基礎知識

ハザードマップとは、想定される自然災害による被害範囲や避難場所などを地図上に示したものです。
国や自治体が公表しており、洪水や内水氾濫、土砂災害、高潮など災害の種類ごとに作成されます。
洪水ハザードマップは浸水の範囲や深さを、土砂災害ハザードマップは土砂災害が起こり得る区域を示すことを目的としています。
このように、災害ごとの特徴に応じて内容が異なる点を理解しておくことが大切です。

洪水浸水想定区域は、水防法に基づき国や都道府県が想定最大規模の降雨などを前提に作成し、公表している区域です。
一方、土砂災害警戒区域は、土砂災害防止法に基づき、急傾斜地の崩壊や土石流などのおそれがある場所を都道府県が指定する区域です。
これらの区域は、市区町村が作成するハザードマップに反映され、避難場所や避難経路などの情報とあわせて掲載されます。
まずは、自分が検討している地域がこれらの区域に含まれているかどうかを確認することが重要です。

物件探しの前にハザードマップを確認しておくと、水害や土砂災害による浸水や避難の必要性といったリスクの大きさを事前に把握できます。
浸水の深さや土砂災害の危険度を知ることで、建物の階数や構造、日常の備えにどの程度配慮すべきかを考えやすくなります。
また、被害が想定されるエリアと安全性の高いエリアを比較しながら、検討する地域や候補物件を冷静に絞り込む判断材料にもなります。
こうした情報を早い段階で把握しておくことで、災害時の不安を軽減しやすくなる点も大きなメリットです。

項目 洪水ハザードマップ 土砂災害ハザードマップ
主な根拠法令 水防法に基づく浸水想定区域 土砂災害防止法に基づく警戒区域
示される主な内容 浸水範囲と浸水の深さ 警戒区域や特別警戒区域
作成主体の例 国や都道府県、市区町村 都道府県と市区町村
物件探しでの活用 水害リスクと避難行動の検討 斜面近接の危険度と避難計画

物件探しで確認したい洪水リスクのチェックポイント

洪水ハザードマップでは、まず浸水想定深と色分けの対応を確認することが大切です。
国土交通省の水害ハザードマップ作成の手引きでは、想定最大規模の降雨による浸水想定区域と浸水深を段階的な色で示すことが基本とされています。
色が濃くなるほど浸水深が大きくなり、建物や自動車への被害可能性も高まるため、購入や賃貸を検討する物件の位置がどの色帯に入っているかを必ず確認しましょう。
あわせて、自治体によっては浸水到達時間や浸水継続時間を地図や凡例に記載しており、避難開始の目安を把握するのにも役立ちます。

次に確認したいのが、河川との位置関係と標高、地形との関係です。
国土交通省が提供するハザードマップポータルサイトでは、浸水想定情報と標高などの地形情報を重ね合わせて表示することができ、周辺の地盤の高低差を視覚的に把握できます。
一般に、河川に近く低い地盤の場所ほど浸水リスクが高く、周辺より一段低くなっている低地や谷状の地形では、水が集まりやすい点に注意が必要です。
物件候補が周囲より低い位置にあるか、堤防や河川からどの程度離れているかを、地図の縮尺や標高表示も確認しながら丁寧に見ていくことが重要です。

浸水想定エリアに該当する場合は、生活への影響も具体的にイメージしておく必要があります。
洪水ハザードマップ作成の手引きでは、浸水深が増すほど歩行による避難が困難になり、電気設備や車両の浸水による停電や移動手段の喪失が起こり得ることが示されています。
また、浸水によって下水道やポンプ施設が機能不全に陥ると、断水やトイレの使用制限が生じる場合もあり、日常生活の継続に大きな支障が出ます。
候補物件がどの程度の浸水深まで想定されているのかを確認し、停電・断水時の備えや、車を高い場所に移動できるかなど、事前に対策を検討しておくことが安心につながります。

確認項目 見るべき情報 想定される影響
浸水想定深 色分けによる水深 建物・車両被害
到達・継続時間 凡例の時間区分 避難開始の難易度
地形・標高 河川との高低差 長時間浸水リスク

土砂災害ハザードマップで見るべき注意ポイント

土砂災害ハザードマップでは、まず土砂災害警戒区域と土砂災害特別警戒区域という区分を正しく理解することが大切です。
国や自治体は、急傾斜地の崩壊や土石流、地すべりなどの危険が想定される場所を調査し、土砂災害防止法に基づいて区域指定を進めています。
一般的に、黄色系の表示が土砂災害警戒区域、赤色系の表示が土砂災害特別警戒区域として示され、赤色の方が建物被害や生命への危険がより大きいとされています。
この色分けの意味を押さえることで、検討中の物件がどの程度の土砂災害リスクにさらされているのかを、地図上で直感的に把握しやすくなります。

次に確認したいのが、物件候補地と周辺の斜面や谷筋との位置関係です。
土砂災害は、山やがけが崩れたり、谷や沢にたまった土砂が一気に流れ出したりすることで発生するため、斜面の上か下か、谷筋の直下かどうかといった地形条件が重要になります。
国土交通省の「重ねるハザードマップ」などでは、航空写真や標高の情報を重ねて表示できるため、土砂災害警戒区域の色分けと地形の特徴を同時に確認することができます。
あわせて、斜面と逆方向に避難できる道路や、土砂の流下方向を避けられる避難経路が確保されているかも、日頃から地図上で確認しておくと安心です。

さらに、洪水や内水、高潮など他の災害リスクと土砂災害リスクが重なっていないかを見抜くことも、物件探しでは重要な視点です。
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水や土砂災害など複数のハザードマップを一元的に閲覧できるため、同じ場所に複数の色分けが重なっていないかを確認できます。
例えば、河川沿いで浸水想定区域と土砂災害警戒区域が重なる場所では、大雨時に浸水と土砂災害の両方の影響を受けるおそれがあります。
このような複合的なリスクを地図上で早めに把握しておくことで、より安全性を重視した物件候補の絞り込みにつなげやすくなります。

確認項目 地図上のチェック内容 物件選びへの活かし方
区域区分の確認 警戒区域か特別警戒区域か 建物被害や避難難度の把握
地形との関係 斜面上か斜面下か谷筋か 土砂の流下方向と危険度推測
複数リスクの重なり 洪水等の区域との重複状況 災害リスクの総合的な評価

ハザードマップを活用した安全性重視の物件選び

まずは、ハザードマップと実際の周辺環境を重ねて確認することが大切です。
国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水や土砂災害など複数のリスク情報と、避難場所などの位置を同じ地図上で見ることができます。
そのうえで、最寄りの指定緊急避難場所までの距離や経路、徒歩で移動できる高台や広い道路の有無を把握しておくと、いざという時の行動が具体的にイメージしやすくなります。
物件見学の際には、実際に避難経路を一部歩いてみて、安全に避難できそうかを体感的に確かめることも有効です。

次に、災害種別ごとのリスクを比較しながら候補エリアを絞り込む視点が重要です。
「重ねるハザードマップ」では、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域などを同時に表示し、地点ごとに複数の災害リスクを一覧で確認できます。
物件候補ごとに、想定される浸水の深さや土砂災害のおそれの有無などを整理し、どの災害をどの程度まで許容できるか家族で話し合うことで、優先順位が明確になります。
そのうえで、複数のリスクが重なる地点を避け、比較的危険度が低いエリアから物件を探すことで、将来の被害リスクを抑えやすくなります。

さらに、ハザードマップを踏まえた不安点や確認事項を、事前に整理して相談することも大切です。
国土交通省が示す水害ハザードマップ作成チェックシートでは、アンダーパスや浸水常襲箇所など、危険箇所を把握する視点が示されており、周辺環境の確認にも応用できます。
例えば、「近くに浸水しやすい道路がないか」「避難経路上に通行困難となりそうな細い道や橋がないか」など、具体的な質問として整理しておくとよいでしょう。
こうしたチェックポイントを基に安全性を確認しながら検討を進めることで、入居後に災害リスクへの不安を抱え続ける可能性を減らすことが期待できます。

確認項目 主なチェック内容 ポイント
周辺道路の状況 浸水しやすい低地や陥没箇所の有無 車両通行や徒歩避難への影響
避難先までの経路 指定避難所までの距離と所要時間 夜間や雨天時でも安全な通行
複数リスクの有無 洪水と土砂災害が重なる区域かどうか できる限り重複リスクを回避

まとめ

ハザードマップは、洪水や土砂災害のリスクを事前に知るための大切な地図です。
浸水想定深や到達時間、土砂災害警戒区域の色分けを押さえることで、災害時の危険度や生活への影響を具体的にイメージできます。
また、河川や斜面との位置関係、避難所や高台までの経路をあらかじめ確認しておくことで、「安全性を優先した物件選び」が可能になります。
当社では、ハザードマップの見方から物件ごとのリスク整理、気になる不安点の相談まで丁寧にサポートいたします。
災害リスクをしっかり理解したうえで、安心して暮らせる家を一緒に探していきましょう。
まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

”お役立ち情報”おすすめ記事

  • 新耐震基準の築年数は何年から?購入や賃貸で押さえたい目安と確認手順の画像

    新耐震基準の築年数は何年から?購入や賃貸で押さえたい目安と確認手順

    お役立ち情報

  • ペット可物件の原状回復はどうする?リフォームと補助金活用の基本を解説の画像

    ペット可物件の原状回復はどうする?リフォームと補助金活用の基本を解説

    お役立ち情報

  • 川沿い物件の水害リスクは大丈夫?購入前の注意点を整理の画像

    川沿い物件の水害リスクは大丈夫?購入前の注意点を整理

    お役立ち情報

  • 耐震等級3の戸建ては必要か?メリットと選び方を解説の画像

    耐震等級3の戸建ては必要か?メリットと選び方を解説

    お役立ち情報

  • ペットの臭いは原状回復でどうする?消臭方法と費用を抑える工夫を解説の画像

    ペットの臭いは原状回復でどうする?消臭方法と費用を抑える工夫を解説

    お役立ち情報

  • 地震に強い家の特徴とは何か?新築購入前に必ず確認したいポイントを解説の画像

    地震に強い家の特徴とは何か?新築購入前に必ず確認したいポイントを解説

    お役立ち情報

もっと見る