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贈与された不動産の登録免許税とは?計算の流れと税率の基本を解説

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阿曽 大和

筆者 阿曽 大和

不動産キャリア4年

相続や贈与で不動産を取得すると、登記の手続きとあわせて登録免許税の負担が発生します。
ただ、具体的な税率や固定資産税評価額を基にした計算方法が分かりにくく、不動産取得税や相続税・贈与税との違いも含めて不安になっている方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、贈与された不動産にかかる登録免許税の基本から、計算の流れ、相続・贈与で取得した不動産を売却する前に知っておきたいポイントまでを整理します。
まずは全体像をつかみ、どの場面でどのくらいの税金が関係してくるのかを一緒に確認していきましょう。

贈与された不動産の登録免許税とは?

登録免許税とは、不動産の権利関係を登記簿に記録する際に課される国税であり、登記申請時に納めることが原則とされています。
相続や贈与で不動産を取得した場合も、名義を移す所有権移転登記を行うときに登録免許税がかかります。
この税金は、不動産の権利関係を公的に明らかにし、取引の安全を図る役割を担っている点が重要です。
つまり、贈与された不動産の名義変更を適切に行うために、避けて通れない費用として位置付けられます。

所有権移転登記には、売買・相続・贈与など取得原因ごとに異なる税率が定められており、登録免許税法別表などで詳細が規定されています。
一般に、売買による所有権移転登記は税率が高く、相続による移転登記は税率が低く抑えられているのに対し、贈与はその中間的な負担水準となっています。
国税庁の案内でも、土地や建物の所有権の移転登記について、取得原因ごとに異なる税率を掛けて税額を算出する仕組みが示されています。
したがって、贈与を検討する際には、相続や売買と比べた税率の違いを踏まえた上で、登録免許税の負担を見通しておくことが大切です。

登録免許税の税額を計算する際の基礎となる「不動産の価額」は、原則として固定資産課税台帳に登録された固定資産税評価額とされています。
評価額は、市区町村から送付される固定資産税の納税通知書や固定資産税課税明細書、または役所で取得する固定資産評価証明書などで確認することができます。
なお、固定資産税が課されていない公衆用道路や、新築直後で評価額がまだ付されていない建物など、例外的な不動産については、法務局が認定した価額を用いる取扱いが示されています。
このように、固定資産税評価額を前提として課税標準が決まるため、まずは評価額の確認が登録免許税の検討の出発点となります。

項目 内容 確認先
登録免許税の対象 所有権移転登記に課される国税 国税庁や法務局の案内
取得原因ごとの税率 売買・相続・贈与で税率区分 登録免許税法別表第一
課税標準の基礎 固定資産税評価額を基本とする価額 市区町村の固定資産課税台帳

贈与された不動産の登録免許税の計算方法

贈与された不動産の登録免許税は、固定資産税評価額に税率を掛けて計算するのが基本です。
固定資産税評価額は、市区町村の固定資産税課税台帳に登録された価格であり、評価額に小数点以下がある場合でも、登録免許税法上は課税標準を千円未満切上げとして計算します。
そのうえで、不動産の取得原因が相続か贈与かによって税率が変わるため、まず登記原因を正確に確認することが重要です。
この基本的な流れを押さえておくと、ご自身で概算額を把握しやすくなります。

登録免許税の計算は、「不動産の価額(固定資産税評価額)×税率」で求めます。
例えば、評価額が2,000万円の土地や建物を相続により取得した場合、税率0.4%を掛けるため、登録免許税はおおむね8万円となります。
一方、同じ評価額であっても贈与による所有権移転登記では税率2.0%が適用され、おおむね40万円となり、原因による差が非常に大きくなります。
このように、評価額だけでなく税率の違いが負担額を大きく左右する点を意識しておくことが大切です。

土地や建物については、相続による所有権移転登記の税率は原則0.4%であるのに対し、贈与や売買など相続以外の原因では2.0%が適用されます。
ただし、相続人以外への遺贈は、形式上「相続」であっても贈与と同じ2.0%となるなど、登記原因の整理には注意が必要です。
また、土地の評価額が100万円以下の場合の免税措置や、自宅用家屋に対する期間限定の軽減措置など、登記の種類や条件によって税率が軽減される場合もあります。
どの税率が適用されるかは、登記の内容と根拠資料を基に個別に確認することが欠かせません。

相続や贈与で取得した不動産を売却する際には、どの時点で登録免許税が発生するかも押さえておきたいところです。
まず、被相続人や贈与者名義のままになっている場合には、所有権を取得した方への名義変更の段階で登録免許税がかかります。
そのうえで、売却先の買主への所有権移転登記の際にも、別途登録免許税が必要となり、登記の回数に応じて税負担が生じます。
売却を検討する場合には、事前にどの登記のタイミングで、どれくらいの登録免許税が必要になるかを整理しておくと安心です。

確認したい項目 主な内容 注意したい点
課税標準の確認 固定資産税評価額の金額 千円未満は切上げ計算
税率の区別 相続0.4%・贈与2.0% 登記原因の種類を要確認
負担の時期 名義変更登記ごとに発生 売却前後の登記回数を把握

相続・贈与で取得した不動産に関わる他の税金

相続や贈与で不動産を取得すると、登録免許税以外にも複数の税金が関係します。
代表的なものとして、不動産の取得時に課される不動産取得税、財産全体にかかる相続税や贈与税、将来売却する際の譲渡所得税などがあります。
これらはそれぞれ課税の目的や計算方法が異なるため、種類ごとの役割を整理して理解しておくことが大切です。
まずは不動産取得税と登録免許税の違いから押さえておきましょう。

不動産取得税は、不動産を取得した人に対して都道府県が課税する地方税です。
課税標準は原則として固定資産税評価額で、一定の特例や控除が適用される場合があります。
一方、登録免許税は登記という手続そのものに対して課税される国税であり、登録をしなければ発生しません。
相続や贈与により所有権移転登記を行うと、多くのケースで登録免許税と不動産取得税が双方とも関係するため、二重にかかる印象を受けやすい点に注意が必要です。

次に、相続税や贈与税と不動産の取得価額、将来の譲渡所得との関係を確認しておきます。
相続税や贈与税は、不動産を含む財産全体の価額に基づいて課税されますが、不動産の取得価額や課税価格は、将来その不動産を売却する際の譲渡所得の計算に影響します。
譲渡所得は、おおまかに売却価額から取得費や譲渡費用を差し引いて計算するため、相続や贈与時の評価額、相続税や贈与税の一部を取得費に加算できる制度の有無などが結果に関わってきます。
そのため、相続・贈与の段階から、将来の売却を見据えた資料の保管や計算の整理が重要になります。

さらに、登録免許税や不動産取得税には、一定の条件を満たすことで軽減される特例や優遇措置が設けられています。
例えば、居住用の不動産については、登記の種類や床面積、取得時期などの要件を満たすことで、税率の軽減や課税標準の控除が認められる制度があります。
また、相続や贈与に伴う登記であっても、税制改正の内容や適用期限により取り扱いが変わることがあるため、最新の制度を確認することが欠かせません。
どの特例が利用できるかによって、最終的な税負担が大きく変わることもあるため、早めに情報を整理しておくと安心です。

税目の名称 主な課税対象 軽減・特例のポイント
不動産取得税 不動産の取得行為 居住用などで税率軽減
登録免許税 登記申請の手続 一定の登記で税率軽減
相続税・贈与税 財産全体の取得 基礎控除や各種特例

相続・贈与不動産を安心して売却するためのポイント

相続や贈与で取得した不動産を売却する前には、まず登記名義が現在の実態と一致しているかを確認することが大切です。
名義が被相続人のままになっている場合は、相続登記を行い、その際に登録免許税がかかります。
事前に固定資産税評価額と登録免許税の税率を調べて概算額を把握しておくことで、売却時の資金計画を立てやすくなります。
こうした準備を行うことで、売却手続き中に思わぬ費用負担が判明することを防ぎやすくなります。

不動産を売却して利益が出た場合は、譲渡所得として所得税と住民税が課税される可能性があります。
譲渡所得の計算では、取得費として売買代金のほか、相続や贈与で取得した際に負担した登録免許税や不動産取得税なども加算できる場合があります。
取得費に含められる費用を正しく整理しておくことで、課税対象となる譲渡所得を適切に把握しやすくなります。
特に、過去に支払った税金や登記費用の領収書を残しておくことは、将来の売却時に大きな意味を持ちます。

相続や贈与で取得した不動産の売却を検討する際には、税金と登記の両面を総合的に確認できる相談先を選ぶことが重要です。
具体的には、譲渡所得に関する税務上の取扱い、登録免許税や不動産取得税の扱い、必要となる登記手続きなどを整理しながら進めていくと安心です。
その際、固定資産税評価証明書、登記事項証明書、相続関係を示す戸籍関係書類、贈与契約書や遺産分割協議書などをあらかじめ揃えておくと、相談や手続きがスムーズに進みます。
こうした資料を早めに整理し、売却までの流れを見通しておくことが、不安の少ない不動産売却につながります。

確認したいポイント 主な内容 準備しておきたい書類
登記名義の確認 現在の名義人と持分の状況 登記事項証明書
税負担の整理 登録免許税や譲渡所得税 固定資産税評価証明書
取得費の把握 登記費用や取得関連費用 領収書や契約関係書類

まとめ

贈与された不動産の登録免許税は、固定資産税評価額に税率を掛けて計算する重要な費用です。
相続・贈与・売買など取得原因ごとに税率や必要な登記が異なるため、自己判断だけで進めると負担が大きくなるおそれがあります。
また、不動産取得税や相続税・贈与税、将来の譲渡所得との関係も整理しておくことが大切です。
当社では、登記名義の整理から登録免許税の概算、売却時の税金の見通しまで丁寧にご説明いたします。
贈与や相続で取得した不動産について不安があれば、ぜひ一度ご相談ください。

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